【第60〜66話まとめ】白と黒の軍師、半弧の罠|EWIG連載ノート

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【第60〜66話まとめ】白と黒の軍師、半弧の罠|EWIG連載ノート

これは、カクヨムで連載中の小説『EWIG(エーヴィッヒ)』を、途中からでも追いやすい形にするための“まとめ記事”です。

本作は高校時代に執筆した原稿で完結済、全99話の構成です。

ネタバレ注意
この記事は、第60〜66話の内容を物語の流れが分かる形でまとめています。未読の方はご注意ください。

前回(第55〜59話)のまとめ

第60〜66話のあらすじ

第60話 盟約の地 ミュアイ

 スィークリト帝国の皇女ランフォーレ奪還という途方もない目的のため、カリュースとリーディスはかつての激戦地、ミュアイ市へと帰還を果たした。

 この地を治める第五代ブラーム大公は、かつてイプソス草原大戦で自らを窮地から救った「無敵の騎士」たちの来訪を歓喜をもって迎え入れる。過去の盟約が、今ここに新たな戦乱の幕を引こうとしていた。

第62話 白と黒の軍師

 大公城の謁見の間。カリュースは姫奪還のため、ブラーム公に三万の派兵を請う。その無謀とも言える要求に対し、冷徹なる大公の懐刀「黒の軍師」ユロが牙を剥く。だが、ひざまずく「白髪の軍師」リーディスは静かに、そして鮮やかにその盤面をひっくり返した。

 ラヴァ正教の重鎮ヴィラン公爵をカードとした人質交換。そして出兵の見返りとして敵地の穀倉地帯を献上しつつ、解放後の市民による自治までをも見据えたリーディスの深謀遠慮は、居並ぶ重鎮たちを感嘆の渦に巻き込む。光と影、白と黒の軍師が静かに火花を散らす中、ミュアイの議会は満場一致で進軍を決定した。

第64話 ザッカートの野望

 作戦は、戦場全体を使った大がかりな「挟撃」であった。

 カリュースは二万の兵を率い、陽動と伏兵のためラムセス市方面へと進発する。見送るリーディスはただ一人ミュアイに残り、数に勝る敵の主力軍を相手に、カリュースが背後を突くまでの「一日」を持ちこたえるという過酷な役目を背負うこととなった。

第65話 半弧の罠

 一方、紅蝶湖の海上には、ミュアイ陥落の野望に燃える敵将ザッカートの姿があった。

 荒くれ者の提督ルバードゥルの大艦隊と共に南の岬へ上陸した彼は、若き副官ジャクメルの献策を容れ、主力一万の兵をすべて投じた「半弧隊形」での包囲殲滅戦を決断する。自らの圧倒的な兵力と勝利を信じて疑わないザッカートの目には、背後に迫るカリュースの影など微塵も映っていなかった。

第66話 天の目、地の血

 そして開戦の時。

 ミュアイの大公城では、スィークリト帝国 魔導総長ラトルが残した遠見の巨大鏡「天の目」が戦場の赤と青の軍勢を映し出していた。数で押し潰そうと半弧を描いて迫るザッカート軍に対し、リーディスが下した指示は、敵と全く同じ「半弧隊形」での激突であった。

 大地を揺るがす咆哮と共に両軍は激突する。しかし、前線は異様な膠着状態に陥る。

 敵を包囲しようとするザッカート軍の両翼は、同隊形をとるミュアイ軍に完全に防がれ、一歩も前へ進むことができない。苛立ちを募らせるザッカートと、血みどろの激戦を繰り広げる前線の傭兵たち。

 動かない戦場。それこそが、白髪の軍師が盤上に描いた緻密な罠であった。

 力と力が拮抗する死地の果てで、挟撃の刃が振り下ろされる決定的な瞬間が、静かに研ぎ澄まされていく。

第60〜66話の主要な登場人物

  • カリュース カリュース
    スィークリト帝国の中騎将。ランフォーレ姫を救出するため、かつて窮地を救ったブラーム大公の元を訪れる。二万の兵を率い、ラムセス市への陽動と伏兵の任に就く。
  • リーディス リーディス
    カリュースの相棒である「白髪の軍師」。ヴィラン公爵と手を結んだ奇策を立案し、自らはミュアイ防衛の指揮を執る。敵軍を戦場に釘付けにする恐るべき罠を張る。
  • ブラーム公 ブラーム大公
    第五代ブラーム大公。立憲君主制を敷き、民衆と議会の支持を集める名君。過去の恩義からカリュースの途方もない要請を快諾し、三万の兵を貸し与える。
  • ユロ ユロ
    ブラーム公に仕える冷徹な「黒の軍師」。リーディスに激しい対抗心を燃やすが、その神算鬼謀の前に自身の策が劣ることを認めざるを得ず、深い嫉妬を抱く。
  • ダーマンテ ダーマンテ
    ブラーム大公の配下である指揮官。ぎこちない機械的な敬礼が特徴。カリュースと共にラムセス市攻略の別働隊として出陣する。
  • ザッカート ザッカート
    ミュアイ陥落の野望に燃える敵将。半弧隊形で一気に包囲殲滅を図るが、リーディスの罠にハマり、動かない戦場で苛立ちと焦りを募らせていく。
  • ジャクメル ジャクメル
    ザッカートの副官。リーディスが送り込んだ諜者(ハースランド)であり、ザッカートをミュアイ侵攻へと誘導する。
  • ルブルック ルブルック
    ザッカート軍の副司令官。メーマック市の陸軍一万を指揮する生真面目な文官肌の騎士。膠着する戦場の異変に気付き、疑念を抱き始める。
  • ファドーツ ファドーツ
    ザッカートの脱獄を手引きした傭兵。ジャクメルと共にザッカート軍に同行し、最前線でミュアイ軍との戦いに参戦する。

国名・地名・用語

  • ミュアイ市:アラク海峡の西の出口を押さえる、軍事上の最重要都市。ブラーム大公の拠点であり、ザッカートの大軍を迎え撃つ主戦場となった。
  • ブラーム公領:スィークリト国王との盟約により成立した大貴族の領土。五代目の現大公により議会が設置され、「君臨すれども統治せず」の立憲君主制が機能している。
  • イプソス草原大戦:二年前にアビス侯爵がミュアイ市に侵攻して勃発した戦い。デスとカリュースがブラーム公を窮地から救い、「無敵の騎士」と呼ばれる契機となった。
  • バトリック山城:強国ヒスタリクの重鎮、アビス侯爵の居城。ランフォーレ姫が軟禁されており、常時六万以上の兵力を擁する要塞。
  • ラムセス市・メーマック市:リーディスが三万の兵を借りる見返りとして、ヒスタリク最大の穀倉地帯と共にブラーム公への献上を約束した都市。ラムセス市は市民の自治を条件とした。
  • 紅蝶湖(こうちょうのうみ):赤道より少し北に位置する穏やかな湖(海)。メーマック市から出港したザッカート軍の艦隊百五十隻が、ミュアイ包囲に向けて進軍した。

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