
これは、カクヨムで連載中の小説『EWIG(エーヴィッヒ)』を、途中からでも追いやすい形にするための“まとめ記事”です。
本作は高校時代に執筆した原稿で完結済、全99話の構成です。
この記事は、第28〜36話の内容を物語の流れが分かる形でまとめています。未読の方はご注意ください。
前回(第18〜27話)のまとめ
第28〜36話のあらすじ

明け方の帝都ラウェルに、ヴィラン公爵を伴ったカリュース一行が秘密裏に帰還した。市街に入る直前、別働隊として動いていたルッカやジプシーのミックとも合流を果たし、彼らはついに一堂に会する。
次なる標的は、ヒスタリク王国の重鎮アビス侯爵。彼の手からランフォーレ姫を救出するため、軍師リーディスは正面突破ではなく、「大芝居」と称する壮大な策謀を用意していた。その夜、無理が祟り高熱を出して倒れたリーディスだったが、カリュースの献身的な看病を受け、主君への忠誠と決意を新たにする。

翌日の軍議で、リーディスは驚くべき作戦を提示する。それは要衝「コッドの砦」と「ミュアイ市」を舞台にした二重の罠だった。
まず、ハースランド中騎兵の手引きで脱獄させた敵将ザッカートをコッドの砦に帰還させる。次にブラーム大公の軍を動かしてミュアイ市の守りを手薄に見せかけ、功名心にはやるザッカートを砦から誘い出す。
空になった砦をデスとルッカが陥落させ、突出したザッカート軍をミュアイ市で包囲殲滅して捕虜にする──。捕らえたザッカートを人質交換のカードとして利用し、姫を奪還するという筋書きである。ヴィランはこの策に感嘆し、自らも囮役や攻略の一翼を担うことを志願。役割分担が決まり、一行はそれぞれの戦場へと散っていった。

一方、作戦の鍵となるコッドの砦では、帰還した司令官ザッカートが祝宴に酔いしれていた。彼は自分を救出したジャクメルに全幅の信頼を寄せる。
しかし、砦を守る副司令官・陰気な魔術士チェンライだけは違っていた。彼はジャクメルが連れてきた傭兵たちの中に「諜者」が紛れ込んでいることを鋭く察知し、ザッカートに警鐘を鳴らす。
ザッカートはその忠告を一笑に付すが、砦の内部ではすでに密偵たちが暗躍し、難攻不落の要塞は内側から崩壊へのカウントダウンを刻み始めていた。
第28〜36話の主要な登場人物
-
カリュース
スィークリト帝国の中騎将。リーディスを深く信頼し、彼の策を実行に移すべくミュアイ市へ向かう。 -
リーディス
カリュースの軍師。ヒスタリク王国の大貴族・アビス侯爵を欺くため、国家規模の「大芝居」を描き出す天才的な策士。 -
ヴィラン公爵
リーディスの策に感心し、自ら危険な囮役とラムセス市攻略を志願する豪胆なラヴァウインド共和国の女公爵。 -
ザッカート
コッドの砦司令官。ジャクメルの手引きで脱獄しコッドの砦に帰還する。 -
チェンライ
ザッカートと共にコッドの砦を守る副司令官の魔術士。鋭い勘で内部に入り込んだ諜者の存在を疑う。 -
ジャクメル(ハースランド)
スィークリトの潜入工作員としてザッカートの脱獄を手引きし、共にコッドの砦に向かう。 -
デス
大騎将。コッドの砦陥落の指揮官を任され、ルッカと共にその任にあたる。 -
ルッカ
小騎将。カリュースの同僚であり友。リーディスの指示に従って、デスと共にコッドの砦攻略へ動く。
国名・地名・用語
- コッドの砦:レガヌ海峡を抑えるヒスタリク王国の重要拠点。後方は海、前方は森に阻まれた難攻不落の要塞。
- ミュアイ市:アラク海峡を抑えるブラーム公国(スィークリト帝国 同盟国)の都市。今回の作戦の要衝。
- 魔術士:自然の法則を利用し魔術を操る者たち。一般には忌み嫌われているが、一部の国で軍事的役割を担う。
- 諜者:敵地に潜入し、情報収集や破壊工作を行うスパイ。
個別にエピソードを読む
第28話 帝都ラウェル帝都ラウェルへ戻った一行は、次なる標的をアビス侯爵に定める。賑やかな朝の風景とは裏腹に、彼らの胸中には嵐の予感が渦巻いていた。
第29話 仲間との再会仲間と合流し、陣容は整えられ次の策が動き出す。再会の余韻はすぐに消え、彼らの表情は既に次なる戦いへと向いていた。
第30話 儚さと苦しみ病に伏す軍師は静かに策を明かし、事態は次段階へ進む。夜風に乗る優雅な調べの裏で、静けさは確実に意味を変え始めていた。
第31話 戦慄の軍略軍師の描く大芝居の全貌が明かされ、戦局は危険な段階へ進む。この時カリュースは、その策の先に待つ運命の過酷さを、知る由もなかった。
第32話 大芝居の幕開け大芝居の全貌が示され、各地で軍と人物が動き始める。広げられた地図の上で、見えざる駒たちが音もなく配置されていく──
第33話 駒は動く策は最終段階へ進み、各陣営はそれぞれの役割を背負い動き出す。静寂を取り戻した部屋で、若き主従は来るべき嵐の前の静けさを共有していた。
第34話 コッド砦の魔術士魔術士の存在と指令官帰還の噂が、砦に不穏な空気を広げていく。囁かれた噂は消えることなく、砦の隅々に不安として沈殿していった。
第35話 司令官の帰還指令官帰還の祝宴の裏で、不信と警戒が静かに芽吹く。祝杯の酒は赤く輝き、やがて流れるであろう鮮血の色を予感させる──
第36話 騎士と鼠砦の内に潜む諜者が動きを告げ、陥落への歯車は静かに回り出す。宴の声は夜空に吸い込まれ、砦は静かに破滅へのカウントダウンを刻み始める──



