【第4巻まとめ】ミュアイ戦役と運命の星々|EWIG連載ノート

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【第4巻まとめ】ミュアイ戦役と運命の星々|EWIG連載ノート

これは、カクヨムで連載中の小説『EWIG(エーヴィッヒ)』を、途中からでも追いやすい形にするための“まとめ記事”です。

本作は高校時代に執筆した原稿で完結済、全99話の構成です。

ネタバレ注意
この記事は、第4巻(第60〜79話)の内容を物語の流れが分かる形でまとめています。未読の方はご注意ください。

第4巻(第60〜79話)のあらすじ

第61話 英雄の来訪

 皇女ランフォーレ奪還のため、カリュースと軍師リーディスは同盟国であるブラーム大公の治めるミュアイ市を訪れた 。目的は三万の兵を借り受けること 。リーディスは、アビス侯爵から姫を解放させるため、ラヴァウインドの重鎮ヴィラン公を人質交換のカードとして利用するという驚天動地の策を披露する 。

 その見事な知謀はブラーム大公を感嘆させたが、同時に大公の側近である「黒き軍師」ユロの心に、決して消えぬ嫉妬の業火を灯すこととなった 。目的のためには犠牲を厭わないユロと、命を救うために策を練るリーディス 。白と黒、対極の天才軍師による静かなる闘いが幕を開ける 。

第65話 半弧の罠

 時を同じくして、ヒスタリク軍のザッカート司令官は、ミュアイ市攻略の軍を起こしていた 。彼の傍らには、深い信頼を寄せる若き騎士ジャクメルの姿があった 。

 ミュアイ市に迫るザッカート軍に対し、大公城の遠見の魔術鏡「天の目」越しに戦況を見つめるリーディスは、巧みな陣形操作で徹底した時間稼ぎを行う 。拮抗した戦場は、白髪の軍師が仕掛けた長き罠の始まりに過ぎなかった 。

第72話 偽りの忠誠

 焦燥に駆られたザッカート軍が隊形を崩したその時、背後から一万五千の兵を率いたカリュースの本軍が牙を剥く 。完全に挟撃され、戦局が絶望へと傾く中、ザッカートの前に立ちはだかったのは他でもないジャクメルであった 。

 「我が名はハースランド。スィークリト帝国の中騎兵である!」

最も信頼していた部下の裏切り 。策謀の糸に踊らされていたことを悟ったザッカートは復讐の鬼神と化すが、ルッカ率いる騎兵隊の突破により陣形は完全に分断され、ついに囚われの身となる 。

第75話 軍師の涙

 一方、海上の戦いでは凄惨な地獄絵図が繰り広げられていた 。黒き軍師ユロは、季節特有の巨大な渦と無人艦を組み合わせた独断の卑劣な策を用い、ヒスタリクの海軍百五十隻を湖の底へと葬り去った。

 ユロの謀略にもう少し早く気付いていれば惨劇を防げたかもしれない──凄まじい数の命が奪われたことにリーディスは薄暗い部屋で一人涙を流す 。そんな白髪の友の震える肩を、カリュースは優しく抱きとめた 。

第79話 死神のカード

 陸海にわたるミュアイ防衛戦はスィークリト・ブラーム連合軍の勝利に終わり、別働隊としてラムセス市を解放したヴィラン公も合流を果たす 。大公城には、運命の星々が一堂に会していた 。

 しかし、勝利の余韻に浸る彼らに、北の魔女ウィフィツィのばばが不吉な影を落とす 。彼女が引いたタロットカードは、何度切り直しても「死神」の絵柄を示したのだ 。それは、この場に集う誰かの死を告げる、残酷な宣告であった 。

 消えぬ不安を振り払うかのように、その夜、一人の男がミュアイ市を旅立つ 。ヒスタリク兵の鎧に身を包んだカリュースは、皇女が囚われるバトリック山城へと、ただ一人、満天の星空の下を駆けていく 。死神が嘲笑う未来の先へ──激動の第五巻へ続く 。

第4巻のエピソード毎のまとめ

第4巻は、以下の3つの区間に分けて読むと流れを掴みやすい構成になっています。

第4巻の主要な登場人物

  • カリュース カリュース
    スィークリト帝国の中騎将。ランフォーレ姫を救出するためブラーム大公の元を訪れ、二万の兵を率いて伏兵の任に就く。ザッカート軍の背後から強襲して挟撃を完成させ、勝利を決定づけた後、涙するリーディスを優しく慰め、姫奪還のため単身アビス侯の居城へ出立する。
  • リーディス リーディス
    カリュースの相棒である「白髪の軍師」。ヴィラン公爵と手を結ぶ奇策を立案し、自らはミュアイ防衛の指揮を執って敵軍を戦場に釘付けにする。完璧な采配を見せるが、ユロの非情な策による敵海軍全滅に慟哭する。「白の星」としてヴィランとカリュースの運命を引き合わせた張本人であることが判明する。
  • ブラーム公 ブラーム大公
    第五代ブラーム大公。立憲君主制を敷き、民衆と議会の支持を集める名君。過去の恩義からカリュースの途方もない要請を快諾し、三万の兵を貸し与える。
  • ユロ ユロ
    ブラーム公に仕える冷徹な「黒の軍師」。リーディスに激しい対抗心を燃やし深い嫉妬を抱く。潮流と大渦を利用した無人特攻船の罠で敵海軍を全滅させ、自身の非情な策を邪魔されぬようリーディスを軟禁して、白髪の軍師を出し抜いたことに悪魔的な喜びを感じている。
  • ダーマンテ ダーマンテ
    ブラーム大公の配下である指揮官。ぎこちない機械的な敬礼が特徴で、カリュースと共にラムセス市攻略の別働隊として出陣する。
  • ザッカート ザッカート
    ミュアイ陥落の野望に燃える敵将。半弧隊形で一気に包囲殲滅を図るがリーディスの罠にハマり、挟撃により軍を完全に分断され敗亡する。大公城の地下牢に囚われ、自らを欺いたハースランドに対し「裏切り者のジャクメル」と狂気じみた怨嗟の唾を吐きかける。
  • ハースランド(ジャクメル) ハースランド(ジャクメル)
    ザッカートの副官「ジャクメル」として潜伏していた、リーディスが送り込んだ諜者。ザッカートをミュアイ侵攻へと誘導する。捕虜となったかつての上官から激しい憎悪をぶつけられるが反論せずに甘んじて受け入れ、19歳にして一生消えない「裏切り者」の重い烙印を背負う。
  • ルブルック ルブルック
    ザッカート軍の副司令官。メーマック市の陸軍一万を指揮する生真面目な文官肌の騎士で、膠着する戦場の異変に気付き疑念を抱き始める。
  • ファドーツ ファドーツ
    ザッカートの脱獄を手引きした傭兵。ジャクメルと共にザッカート軍に同行し、最前線でミュアイ軍との戦いに参戦する。
  • デス デス
    ザッカート軍の陣形の弱点を見抜き、ルッカの突撃を指示して見事な挟撃網を構築する。
  • ルッカ ルッカ
    デスの戦術眼に応え、千騎の騎兵を率いて「尖頭隊形」で敵陣に突撃する。ザッカート軍の半弧隊形を中央から見事に貫通・分断し、大勝の決定的な起点を作る。
  • ヴィラン公爵 ヴィラン公爵
    ラムセス市を無傷で解放して大公城へ合流する。ばばの占いにより、自身がカリュースの「天命の星」に惹き寄せられた「紫の星」であることを悟る。
  • ウィフィツィのばば ウィフィツィのばば
    運命の星々が一堂に会した場で、リーディスの深謀がヴィランを導いたと看破する。姫奪還の未来を占うが、何度切り直しても「死神」を引き、残酷な死の啓示をもたらす。

国名・地名・用語

  • ブラーム公領:スィークリト国王との盟約により成立した大貴族の領土。五代目の現大公により議会が設置され、「君臨すれども統治せず」の立憲君主制が機能している。
  • ミュアイ市:アラク海峡の西の出口を押さえる、軍事上の最重要都市。ブラーム大公の拠点であり、ザッカートの大軍を迎え撃つ主戦場となった。
  • イプソス草原:ザッカート軍一万五千を迎え撃つ主戦場。リーディスが仕掛けた陣形の膠着と、カリュース率いる別働隊の背後からの強襲により、ヒスタリク軍は完全に挟撃される絶望の地となった。
  • 紅蝶湖:夕方に水面が真っ赤に染まる巨大な塩湖。黒の軍師ユロが仕掛けた無人艦と「大渦」を利用した非情な罠により、ルバードゥル提督率いる百五十隻の艦隊が全滅した。
  • 大公城:ブラーム大公の居城。遠見の魔術鏡「天の目」を通して遠く離れた戦場を見渡すことができる。戦勝後は運命の星々が一堂に会する場となり、地下牢には敗将ザッカートが収監された。
  • ラムセス市:ヴィランの巧妙な手回しと市民の協力により、本軍を突入させることなくほぼ無傷で解放された都市。これにより、ミュアイ軍の一部はそのままメーマック市の占拠へと向かった。
  • バトリック山脈:次なる標的であるアビス侯の居城がある険しい山脈。ランフォーレ姫が囚われているとされ、ヒスタリク兵に変装したカリュースが単騎で闇夜の中、この地を目指し出立した。
  • ウィフィツィのジプシー:北の魔女ウィフィツィのばばが率いる、三日月と太陽の紋章を持つジプシー集団。

個別にエピソードを読む

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