SNSでパンレシピを色々紹介していると、「パン初心者」という言葉がよく聞くことがあります。
パン初心者というのは、パン作りを始めたばかりの人という意味で使われるときと、パン作りはそこそこやっているのだけどうまくパンが焼けない人、という使われ方をしていることもあります。
どちらにしても、「上手にパンが焼けるようになりたい!」という前向きな気持ちが込められているので、僕としてはこういった「パン初心者」を自認している人たちを応援したいといつも思っています😊
パン作りはお料理とは違い、やることも使う材料も限られていますし、人の手がかかる部分はパン作り作業全体の半分ぐらいです。
パン作りは、
・膨らませる
・形を整える
・焼く
たったこれだけの作業しかありませんが、それでもパン作り初心者と、そうじゃない人たちとでは、ずいぶん違いがあります。
パン作り初心者とはどんな人たちのことを言うのでしょうか?
パン作りのレベルは三つに分けて考えよう
パン作りはいつでも誰でも始められる
パン作りに料理の知識は不要です。
その理由は別の記事に書いているので、良かったら参考にしてください😉
ただ、パン作りに料理の知識は不要ですが、パン作りを始める事は簡単でも、実際にやり始めると結構良く失敗します🤣
その理由はパンレシピの使い方に問題があるからなんですね。
パン作りは普通のお料理と違いやれることが少ない分、作る作業や材料の分量を間違えると、途中で失敗するって分かっていても、どうにかして持ち直すという事が出来ない分野です。
書籍やネットで公開されているパンレシピには、見た目がとても可愛いとか、お店で売っているようなパンが焼ける!といった、大変素晴らしいレシピが沢山あります。
レシピを書いた方の経歴も華やかな方が多く、どこかでパン教室を開かれている先生だったり、海外でパン作りの勉強をした方だったりします。
こういった立派な経歴を持った先生が書いているレシピだから、間違いなく出来るんだろう、と思って作ってみようと思うわけです🤔
ところが、いざ真似をしてやってみると、あれれ、思ってたんと違う感じになってきたぞ、という事が本当によくあります🤣
何故パン作り初心者が失敗しやすいかと言えば、自分のパン作りのレベルをよく考えずに、「作ってみたいパンレシピ」を見て作り始めるからなんですね。
自分のパン作りのレベルを正しく認識しよう!
初心者が陥りやすいパンレシピへの勘違い
パンレシピとは文字の通り「パンを作るための手順書」ですが、すべてのパンレシピが誰にでもわかりやすく、取り組みやすいように書いてあるわけではありません。
パンレシピの中には、やたらと「材料を捏ねる」という部分だけ細かく書いていて、残りの作業をさらっと流してしまっているものもあります。
でもパン作り初心者の方は、そのレシピが何を省いているのか分からないので、材料を捏ねるところだけは、パンレシピに書いてあるとおりに一生懸命やるけれども、膨らませるところはしっかり書かれてなかったからと、不正確な時間と温度でやったりするわけです。
あるいは、「簡単パン作り!」や「電子レンジだけで作るパン作り!」「捏ねないパン作り!」といった、一見初心者向けの作り方のようなパンレシピを見つけては、簡単って書いてあるから、自分でも出来るはず!と思って作り始めたりします。
だけど、一応焼くところまでは出来たけれども、パン作りの流れがよく分からないままに焼き上がった、という事もよくあります🤔
僕はパン作りには三つのレベルがあると考えていて、自分のレベルにあったレシピの使い方をしていかないと、ひたすら失敗を重ねるだけで、自分が焼きたいパンが焼けるようにはなかなか進まないと思います😵
パン作りの三つのレベル
パン作りをする人の事をベイカーといいますが、ベイカーのレベルは三段階あると考えています。
- level3 パン作り初心者
- level2 パン作りを教える人
- level1 パン職人
図で見て分かるように、圧倒的にlevel3 ベイカーが多いですし、僕もlevel3 ベイカーなので、皆さんと同じ立場ですね😉
(1)level3 パン作り初心者
level3 ベイカーは、この記事のテーマにもなっている「パン作り初心者」の人たちのことを言います。
何から始めればパンが焼けるのか分からない人から、レシピを改造して自分流のパンを作れる人まで、結構幅が広い人たちが含まれるレベルになります。
でもlevel2 ベイカーの人たちと大きく違うのは、「パン作りをするのに必要な正確な情報や知識を持ち合わせていない」という事。
パン作りの正確な情報・知識を持ち合わせていないと自分で分かっているlevel3 ベイカーであるならば、パンレシピを「正確に真似をする」という事を心がける必要があるし、パン作りの四つの工程をキチンと守ったパン作りをする方が、失敗も少ないと思います😊
つまり、level3 ベイカーが目指すパン作りは、パン作りの四つの工程がわかりやすく書かれたパンレシピを使い、自分の手先の器用さを考えながら、確実に焼けるパン作りを繰り返しやる事が大切だと思います😉
・有名な先生が作ったレシピだから
・手間が少なくて簡単そう
こういった理由でパンレシピを探すのは、level2 ベイカーに近づいた人がチャレンジするという事ですね☝
パンを焼き続けたら誰でもlevel2 ベイカーになれるの?
level3 ベイカーさんでも、繰り返し色んなパンをレシピ通りに焼き続ければ、必ず「一回失敗したら、二回目は失敗しないパン作り」が出来るようになります。
何故かと言えば、レシピに忠実にパンを焼くと言うことは、レシピの中に含まれるパン作りの四つの工程(捏ねる、膨らます、形を作る、焼く)が分かるようになると言うことですし、失敗の原因がどの工程にあったのか分かるようになる、という事に他なりません。
失敗した原因がわかるようになると、同じレシピを使うのであれば、失敗した部分だけ注意すれば、二回目三回目には必ず成功する、というわけですね😉
黒わんこカフェに載せているレシピは、必ず僕が「焼くことに成功」したレシピしか載せていません。
一発で上手に焼くことが出来たパンレシピもありますが、中には三回目でようやくマシな仕上がりになったパンレシピもあります。
失敗したパンレシピは、必ず失敗した理由を考えて、二回目にチャレンジしています。
僕が書いているレシピには、失敗したときの理由を書き添えていることもあります。
だから、黒わんこカフェのレシピを使うlevel3 ベイカーさんは、レシピをちゃんと読んでもらえれば、僕が失敗したところは、失敗せずにすむかも知れません😊
level3 ベイカーの人たちが心がけるパン作りとは、「level2 ベイカーさん達がこだわるポイントは捨てて、レシピに忠実に作ること」だと思えばよいと思います😉
(2)level2 パン作りを教える人
level2 ベイカーとは、「パン作りを教える人」の事をさします。
つまり、先生としてlevel3 ベイカーさんたちにパン作りを教える立場の人たちで、このレベルまで到達した人たちは、自分でレシピを考案することが出来ます。
中にはlevel1 ベイカー(パン職人)さんと変わらない技術を持っているベイカーさんもおられます。
このlevel2 ベイカーさん達は、パン作りを教えるという立場だけに、「正確なパン作り」について伝える必要があるため、「パンがそれなりに焼ければよい」という事よりも、「正しいパン作り」についてこだわりを持ってパンを焼いています。
例えば、パンをこね終わったときのパン生地の温度は何度だとか、使う強力粉の種類によって捏ね方や、捏ねる強さを変えるとか。
膨らますところでも、二次発酵とは呼ばすあえてホイロと呼び、ホイロとは何かというところからこだわりを持ってパン作りをされています。
知識と経験が豊富なため、level2 ベイカーさんたちが作るパンレシピの中には、こういった細かい情報が記載されていることもあれば、「知ってて当然でしょ」ということで、あえて書いていない部分があるレシピもあります。
level3 ベイカーさんの人たちからしてみると、level2 ベイカーさん達が使う言葉が難しすぎて、「パン作りは難しい」と感じてしまう事もあります😵
僕自身もパンの専門書を読んだときに、「こんな細かい数字まで気にしなきゃいけないの???😵」と思うこともよくあります。
でも、正確な知識と経験に基づいたパン作りをするレベルの人たちなので、level2 ベイカーさん達が焼くパンは、level3 ベイカーさん達が焼くパンとは全然違いますよね。
クロワッサン一つとってみても、層がキチンと分かれているし、パリッとした食感もあるって感じで。
level3 ベイカーさんがパン作りがうまくいかない理由として、level2 ベイカーさんのパンに憧れて、いきなりlevel2 ベイカーさんのようにパンを焼きたいと思うこと。
でも、知識も経験も不足しているのだから、そりゃあなかなかうまくいかないのは仕方ないと思います😵
(3)level1 パン職人
最後に、パン作りの神様、いわゆる「パン職人」の皆様。
level1 ベイカーさんが焼くパンは作品と呼べるぐらい個性があり、その製法・材料も独自で独特である事も多く、level3 ベイカーさんがlevel1 ベイカーさんのパンの真似をして似て非なる物をつくるぐらいなら、素直に買った方が早いというレベル🤣
ぶっちゃけたことを言えば、乃が美の食パンを再現するために何回も食パンを焼くぐらいなら、乃が美のパンを買った方が早いということです☝
level1 ベイカーさん達が使う道具は、プロ用の機材で作るんですよ?
パン生地からしてなめらかさが違うし、一日に何百個とパンを焼き続けているパンの神様達なので、成型の速さも全然違う。
オーブンのでかさも火力も違うので、同じ時間で焼いたとしても、焼き上がりが全然違います🤣
level1 ベイカーさんの技術は参考には出来ても、真似は出来ません(笑)
お店に並んでいるパンを家庭で再現したいと思うのは、level2 ベイカーになってからであって、level3 ベイカーさんがそんな世界をいきなり目指すのは、免許も取らずに高速道路を600km運転するようなもんです🤣
黒わんこカフェのレシピはパン初心者の味方!
経験主義から生まれたパンレシピ
黒わんこカフェのレシピはlevel3 ベイカー(パン作り初心者)のために書かれたレシピです。
というか、僕が焼いたパンを整理するために始めたブログなので、level3 ベイカーである僕が焼けるパンしか載せていません🙂
僕はlevel2 ベイカー(パン作りを教える人)ではないので、パンは「それなりの見た目と味で焼ければよい」と考えています。
なので、パン生地の中心温度がどうとか、強力粉の種類によって捏ね方を変える、なんてことはしません🤣
僕は、子育て真っ最中の、普段全く料理をしないパパさんでも焼けるパン作りしかしていません。
なので、僕が整理して載せているレシピの中には、細かい「理論的な数字」なんていうのは出てきません。
僕が整理して載せているレシピは、「捏ねる」以外の部分については、すべて同じ形で書いています。
「捏ねる」ところについて書いていないのには理由があります。
それについてはまた別の記事で紹介したいと思いますが、捏ねる以外の部分については、パン作りの流れを正確に書いているつもりです。
level3 ベイカーさんは、黒わんこカフェのレシピの書き方の「クセ」さえわかれば、動画で勉強するよりパン作りの流れがよく分かるかと思います。
黒わんこカフェのレシピは「経験主義」を元に整理し書いているレシピなので、level2 ベイカーさんから見れば、「それは違うだろ」と思うところも多々あるかと思います。
だけど、パン作りを始めたばかりの人や、料理をしないパパさんに、細かい正確な知識を伝える必要はないと思います。
僕が考えるlevel3 ベイカーさん向けのレシピは、
・膨らますのは機械
・焼くのも機械
というレシピであればよいと思うので、機械に任せるところは「機械に設定する数字」だけ記載して、一番長く書いているのは、「形を作るところ」だけになります。
こういった理由から、黒わんこカフェのレシピを最大限活用するためには、「パン作りの機械と道具」はある程度揃っていた方が良いと思います。
同じパンよりも違うパンを沢山焼こう!
黒わんこカフェのレシピは、level3 ベイカーさんになりたてほやほやの、道具選びから始める人から、パンレシピをちょっと改造・応用して、パンレシピとはちょっと違うパンを焼きたい人までは使えると思います。
それ以上の難しい・映えるパンを作りたい人は、level2 ベイカーさんたちが公開している、とっても素敵なレシピを使ってパンを焼いていきましょう😉
黒わんこカフェのレシピは、僕のパンレシピのネタが尽きるまでは、新しいパンレシピが追加されると思います。
全部違う種類のパンレシピです。
カスタードクリーム違いとか、色違いみたいなパンレシピもありますが、それでも「見た目には違うパン」になっています😉
130種類以上のパンレシピを公開しているので、黒わんこカフェのすべてのパンレシピにチャレンジすると、一年以上かかるかも知れません🤣
でも、黒わんこカフェに載っているすべてのパンを焼いたときには、きっとlevel2 ベイカーさんへの扉が開きかかっていると思います😉
僕はlevel2 ベイカーさんの扉は開きませんが、誰が見ても、誰が食べても、「綺麗!美味しい!」というワンランク上のパン作りが出来るのは、level2 ベイカーさん達です。
もし黒わんこカフェの記事やレシピを読んで、本気でパン作りを始めたい!と思った人は、いつかはlevel2 ベイカーさんを目指してもらえればと思いますが、まずはレシピに忠実なパン作りをしましょう😊
level3 ベイカーのパン作り初心者の皆さん!
よかったら、僕と一緒に「楽しめるパン作り」を頑張っていきましょっ🤗
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