【第1話〜第5話まとめ】帝国の騎士と白髪の軍師|EWIG連載ノート

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【第1話〜第5話まとめ】帝国の騎士と白髪の軍師|EWIG連載ノート

これは、カクヨムで連載中の小説『EWIG(エーヴィッヒ)』を、途中からでも追いやすい形にするための“まとめ記事”です。

本作は高校時代に執筆した原稿で完結済、全99話の構成です。

ネタバレ注意
このページは、第1話〜第5話の内容を結末まで含めてまとめています。未読の方は、先に各話本文の閲覧をおすすめします。

第1話〜第5話のあらすじ

物語は、王宮の中央庭園「陽の園」で交わされる、かつての王と少年の穏やかな会話から始まる。

老人は自らを「今は王ではない」と告げながらも、かつてこの大陸に複数の国が割拠し、自身がスィークリトの騎士として歩んだ過去を語り出す。ここで提示されるのは、現在の秩序が偶然ではなく、戦乱と選択の積み重ねで形づくられたという、シリーズ全体を貫く「国家の成り立ち」の視点である。

 

視点が現代の戦場へ移ると、スィークリト帝国の若き騎士カリュースは、巧妙な陽動と分断を軸に戦局を動かす。囮部隊を率いるルッカと呼応し、敵軍指令官バルミッツを追い詰め、最終的にカリュース自身がその命を断つことで戦は決着する。

この勝利は、帝国が「正義の勝利」を語るための素材となる一方で、戦場に散った兵と、指揮官の不才や逃亡が生んだ無数の歪みも同時に残す。勝ったはずの戦いが、すでに次の禍根を孕んでいることが、ここで静かに示される。

 

戦後、帝都ラウェルは勝利に沸き、昇格の儀式でカリュースは中騎将へ抜擢される。ここで軍の階級と指揮体系が整理され、カリュースの昇格が「若さ」ではなく明確な戦功に基づくことが強調される。

同時に、豪放な名将デスが登場し、カリュースを半ば力ずくで祝いへ誘う。デスとカリュースの関係は、単なる上司部下ではなく、過去の大戦で名を轟かせた“無敵の騎士”の系譜として語られ、帝国軍内部の伝説と現実の距離感を浮き彫りにする。

 

一方でカリュースの関心は、昇格そのものよりも「白髪の軍師」リーディスに向いている。

帰宅したカリュースは、病み上がりのリーディスへ戦地で入手した兵法書『リュケイオン』を手渡し、二人は知略と政治の因果を言葉で確かめ合う。リーディスは、才能が政治に潰される歴史を語りながら、窓外で進行する民衆扇動の空気を見逃さない。

勝利の熱狂が、そのまま帝都の統治装置へ接続されていくことが、ここで視覚的に描かれる。

 

転換点は、ジェドラが主導する「公開処刑」だ。

処刑されるのはロウス将軍とされる青年で、彼は「騙されるな」と叫ぶが、民衆の怒りは止まらず、剣は振り下ろされる。カリュースは処刑の不自然さに憤り、リーディスはその背後にある意図を見抜こうとする。

直後、ジェドラ自身が暗殺され、夜の霧の街でカリュースとリーディスは血の付いた短剣を握る少女に襲われる。リーディスの術で少女は制止されるが、事件はすでに「偶発」ではなく「連鎖」に入っている。

 

少女フィーメルは、兄ロウスの処刑を帝国の裏切りだと断じ、皇帝暗殺さえ口にする。ここで物語は、戦場の敵味方ではなく、帝国の内側に潜む政治と誓いの問題へと焦点を移す。

カリュースは真偽を確かめようと大将軍グリブローへ直談判し、皇帝の不在と大宰相ラフューンの影が、帝国の意思決定を支配している現実に触れる。

カリュースの忠誠は「信じたい」という意志に支えられながらも揺らぎはじめ、最後にラフューン本人が現れて沈黙を迫ることで、若き騎士の正義が“政治の網”に捕捉される。

 

第1話〜第5話の核は、勝利と昇格という表の栄光の裏で、民衆扇動・暗殺・裏切りの疑惑が同時進行し、カリュースの忠誠が「国家への誓い」から「真実への問い」へと変質していく点にある。

次章以降は、この問いが個人の良心にとどまらず、帝国そのものを揺るがす火種として拡大していく。

第1話〜第5話の主要な登場人物

  • カリュース:スィークリト帝国の若き騎士。戦功により中騎将へ昇格し、忠誠と正義の間で揺れはじめる。
  • リーディス:白髪の軍師。病を抱えつつ、知略と観察で帝都の異変を捉えるカリュースの相棒。
  • デス:豪放な名将。カリュースの上司であり師。帝国内で名声を持つ。
  • ルッカ:囮部隊を率いる小騎将。戦場でカリュースと呼応し、作戦の要を担う。
  • ハースランド:カリュースの副官。昇格後もカリュースに従う。
  • バルミッツ:ファラン軍総司令官。戦場で敗走し、カリュースに討たれる。
  • ジェドラ:戦後、帝都ラウェルの統治領主となる。民衆の前で処刑を演出し、直後に暗殺される。
  • ロウス:公開処刑された若き将軍とされる人物。
  • フィーメル:血の付いた短剣を持つ少女。兄ロウスの件で帝国を憎み、復讐を誓う。
  • グリブロー:スィークリト陸軍最高司令官。真相を知りつつも政治の壁に縛られる。
  • ラフューン:大宰相。皇帝に代わって権力を握る存在として、カリュースを圧する。

国名・地名・用語

  • スィークリト帝国:カリュースが属する大国。軍と官僚機構が強い影響力を持つ。
  • ファラン王国:スィークリトと戦った隣国。戦後の処刑劇と亡命疑惑で物語の火種となる。
  • 帝都ラウェル:スィークリトの首都。戦勝ムードと民衆扇動、暗殺事件が交差する舞台。
  • 陽の園:王宮の中央庭園。プロローグで過去の語りが始まる場所。
  • 雷鷹(ティアウス)の間:帝国城内の一室。昇格の儀式が行われる。

各話リンク(気になる回だけ拾い読みOK)

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